道往寺

東京、高輪の浄土宗の古刹、道往寺の建て替えプロジェクト。ハードソフト両面で新しい形式の開かれた都市型寺院を模索し、マスタープラン検討から竣工まで四年を要した。

全景。寺院の諸機能は都道と同じレベルの二階にあり、右から観音堂、本堂、写真中央奥が庫裡。
手前は回遊式の段丘状の庭園で、その下には多目的ホールの関連諸室が入る。写真左の馬蹄形の庭は新型の納骨堂である。
都道(裏門方向)から見た本堂の夜景。ルーバー状の頬杖材が切妻型のインテリアを作っている。
本堂下には多目的ホールの入口と駐車場が見える。
木造大屋根に覆われた本堂向拝。向拝は、屋外から本尊に対面出来る古来の仏教寺院への回帰を意識したもので、
立ち寄った人へも開かれた寺院の姿のひとつである。写真右手が本堂で、正面が寺院の玄関となっている。
寺院入口ホールから本堂への大廊下。ガラススクリーンの外には前ページ掲載の向拝部分が見えている。
靴を脱いだ後は天井の低いこの廊下を通って本堂に向かうことになる。正面には保存された石塔が見える。
大廊下と本堂の間の板戸は全開放できる。写真は全開放状態で大廊下から本堂内部を撮影したもの。
阿弥陀三尊の上部は散華の型を切り抜いた光筒で、ここからの拡散自然光が本尊を上部から照らす。
散華の開口とルーバー状の頬杖材の間からは堂内に木漏れ日のような光が落ちる。
竣工後は音響の良さも評判になり、コンサートなども開催されている。
山門を入った場所から見た風景。正面右手の観音堂も、本堂同様の二重の屋根に覆われていて、
その間から旧観音堂屋根にあった宝珠が見える観音霊場札所でもある本寺にとって、観音堂の再興も大きなテーマだった。
二階の寺院入口へは、庭園づたいの緩い階段、写真左のショートカット階段の他、写真左奥の一階ロビーからエレベーターでも行ける。
山門から入った庭に在る保存樹の黒松を正面に見る本堂。大屋根下のガラス張りの向拝を通して内陣までを見通すことができる。
下層は、お寺の年中行事の他、葬儀などに使われる多目的ホール。建築はこの庭を取り囲むように配置している。
写真:山田新治郎
当社業務設計・監理
建築用途寺院、庫裡、多目的ホール
工事種別新築
竣工年2013年
所在地東京都港区高輪
延床面積1,239.78m2
構造、規模RC造、一部木造、地上3階
建築主宗教法人 道往寺
施工松井建設株式会社
構造基本計画播繁
構造基本設計三原良樹
構造実施設計株式会社 パッソン
電気設計田中秀雄
設備設計大野恭成
仏像新造・修復長南文化財修復室
寺院設計協力山田隆司
インテリア協力清田直美
外構植栽協力オーサキランドスケイプ
当社担当者小川真樹、野口淳、金井直隆
掲載メディア『KJ』2013.10号、『寺門興隆』2013.09号、『NYT』(英文webマガジン)、『Louis poulsen WEBSITE』

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