ずいぶんと長いこと『雑感』せずにいるようですが、本当はとても多くの雑感をしております。もしもご覧になっていただいている方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。実はここに記すことをさぼったままに設計競技の最終段階になだれ込んでしまっているのです。競技の方は結果にかかわらず? 又、新しい仕事のご報告、事務所の新メンバー御紹介なども含めて今月末あたりからは少しずつでもアップ予定ですので暫くお待ち下さい。
ずいぶんと長いこと『雑感』せずにいるようですが、本当はとても多くの雑感をしております。もしもご覧になっていただいている方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。実はここに記すことをさぼったままに設計競技の最終段階になだれ込んでしまっているのです。競技の方は結果にかかわらず? 又、新しい仕事のご報告、事務所の新メンバー御紹介なども含めて今月末あたりからは少しずつでもアップ予定ですので暫くお待ち下さい。
『マカロニ』という映画がありました。好きな映画です。主演のマストロヤンニが老いた母を訪ねると、彼女は屋根の上の野菜畑に囲まれて、下界には何年も降りていないという風情で暮していました。そこはまるで屋上という名の大地の上のようでした。
いつの時代からなのかは分かりませんが、どうもイタリアの街は屋根の上に人が出ることを前提に造られているように思います。
『マカロニ』はナポリでしたが、上はシエナで下はフィレンツェ、ストリート側のファサードが軒を揃えたデザインになっていても奥にいけば塔屋が交錯し瓦屋根に挟まれた小さなスペースでも平らなところを造って外に出てやろうという涙ぐましい工夫が見られます。防水などは怪しいものです。しかし日本のように屋上に設備機器が並んだりそれをルーバーで隠したりという風景はついぞ見ません。それに建物の高さがそろっているのでそこに行けば地平線すら存在しています。やはり屋上は第二の大地なのです。
日本でも行政主導で屋上緑化などは少しずつ進んできましたが、場所としての生きたアイデアが必要になってくるのはこれからでしょう。
どの街に行っても窓を見ればヨロイマド。木製の外付型で、最も多いのは写真のような観音開きですが、その他にも様々な形態があります。写真にはありませんが秀逸なのは上部のヒンジで蔀(しとみ)戸のように庇状にはね上げるものでしょう。「はね上げ」と「開き」を組み合わせたものもあります。これらの鎧窓は通風を採りながら日射を制御する極めて機能的なものです。
もちろん直接比較する事はできませんが、日本では、本来必要だった深い”のき”の影が薄くなってしまって以来、日射に関して少し無神経なように感じます。特に夏期の熱負荷を減らす為にはガラスそのものの性能をアップさせるよりもその外側で日射を受けるのがいちばん。
最近ではサッシ廻りの防犯性能を強化するというような流れもありますが、そんなことも併せて考えると鎧窓は良い方法なのではないでしょうか。。。『田浦の家』では可動ルーバー付の折雨戸を使いましたが、集合住宅などで使えるより安価で汎用性の高い製品が望まれます。