月刊誌『室内』の休刊が発表されてひと月以上になるでしょうか。この間、多くの場所に惜しむコメントが見られるようになりました。やはり休刊は残念なことです。前編集長の山本夏彦氏の色が濃かっただけに、3年前に亡くなられた折にはもはや本の使命も終わったかのような見方もありましたが、私にはそうは思えませんでした。ここの編集部の方々は独特の雰囲気があって、なんというか『生活者』であり『対象を楽しむ人』であり、そしてその二つが一緒になって出てくるので書く文章も独特に面白い。たまたま同氏が亡くなられる前後にふたつの住宅で取材を受けましたが、そういうことは何ら変わりませんでした。編集長が変わって表面の色は少し変わっても根底に流れるものは変わっていないと感じたものです。
今の時代だからこそ貴重な ”読ませる建築雑誌” 、『ひとまず休刊・・・』と発表されたこの雑誌の新たな復活に期待したいと思います。
2006年3月14日