昨年末に行われた小田原市の音楽ホール公開設計競技に応募しました。結果は落選ですので残念な結果でしたが、新しいものの見方や発想力を持ち続けるためには、たとえ事務所経営を圧迫してでもコンペに参加することには意味があると感じた次第です。今回は機能が『音楽ホール』であったため、音楽ホールを得意とし、私も過去に所属していたMIDI設計出身者が主宰する二つの事務所に声をかけ『三者共同』で応募したのですが、こうした共同作業も初めてでしたので新鮮でした。落選案を公開するのは躊躇われる面もありますが多くの案を見、自らの提案も公開する事は思考の巾を広げることにもなる。という思いで当サイトにも一部を公開しています。同様の趣旨で言いますと、昨年年初に私も応募した岩見沢駅舎のコンペではJR北海道の御尽力により応募作品集が編纂されると聞いており、こうしたことは実にすばらしいことだと思います。
ところで、最近、設計競技によって設計委託をされながら、理不尽な事由によって実施に至らなくなったり、竣工後に問題を起こしたりする例が見受けられます。先の小田原の競技で当選となった山本さんの作品は(次点の小泉さんもですが)非常に優れた提案であって私も竣工が楽しみであると同時に、建て主側の関係各所にはこうした不幸なことにならないように御願いしたいものだと感じずにはいられません。