建築雑感

2005年12月21日

新しいスタッフ

芸大卒業後5年間所員として在籍した梅田君が10月末で退所し、独立しました。赤堤の家、根津の家、田浦の家などを担当し、関係した皆様にはお世話になりましてありがとうございました。彼とは今後もフリーな関係で共に仕事をすることもあると思いますが、専属のスタッフとしては新しく佐伯君が加わりました。彼は、私とは大学と三上祐三氏の事務所時代の先輩にあたる篠原氏の事務所からの移籍です。住宅を中心にかなりの経験があり、慣れないMac.でも図面の早さなどはなかなかのもの。どうぞよろしくお願いいたします。

2005年11月20日

設計競技

ずいぶんと長いこと『雑感』せずにいるようですが、本当はとても多くの雑感をしております。もしもご覧になっていただいている方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。実はここに記すことをさぼったままに設計競技の最終段階になだれ込んでしまっているのです。競技の方は結果にかかわらず? 又、新しい仕事のご報告、事務所の新メンバー御紹介なども含めて今月末あたりからは少しずつでもアップ予定ですので暫くお待ち下さい。

2005年8月26日

イタリア-7:屋上の大地

シエナの屋根『マカロニ』という映画がありました。好きな映画です。主演のマストロヤンニが老いた母を訪ねると、彼女は屋根の上の野菜畑に囲まれて、下界には何年も降りていないという風情で暮していました。そこはまるで屋上という名の大地の上のようでした。

いつの時代からなのかは分かりませんが、どうもイタリアの街は屋根の上に人が出ることを前提に造られているように思います。

『マカロニ』はナポリでしたが、上はシエナで下はフィレンツェ、ストリート側のファサードが軒を揃えたデザインになっていても奥にいけば塔屋が交錯し瓦屋根に挟まれた小さなスペースでも平らなところを造って外に出てやろうという涙ぐましい工夫が見られます。防水などは怪しいものです。しかし日本のように屋上に設備機器が並んだりそれをルーバーで隠したりという風景はついぞ見ません。それに建物の高さがそろっているのでそこに行けば地平線すら存在しています。やはり屋上は第二の大地なのです。

日本でも行政主導で屋上緑化などは少しずつ進んできましたが、場所としての生きたアイデアが必要になってくるのはこれからでしょう。
フィレンツェの屋根