建築雑感

2011年11月25日

解体前夜

昨日、日が暮れるとどうしても気になって、事務所からバスで30分ほどにある解体現場にでかけた。ビルに囲まれた暗闇の中で解体用の養生シートに包まれ、ひっそりと横たわるお寺の本堂と庫裏・・・。まわりには墓石と猫二匹、人は誰も居ない。

そのお寺の建て替えの設計を始めたのは3年近くも前、戦渦に耐え、引き家され、たび重なる補強工事で、もともとは庫裏の一部であったというその本堂は満身創痍だった。何か使えるものがないか考え、屋根瓦を新しい寺院の外構ペーヴとして使うことにした。目の前の本堂の瓦はすでに全て撤去されている。長い間ごくろうさまでした。と声をかけたくなった。

参道をあとにしながら振り返ると、濃灰色のシートに覆われた本堂は夜の空を背景にしてほとんど見ることが出来なかった。

2011年10月28日

出版2件

ここのところ2冊の本の出版にからんでいます。一冊は震災仮設復興住宅の提案をまとめた本で、16の提案が収録されています。もうひとつは大学で一緒に教えている先生方との共著で、デンマークの建築家アルネ・ヤコブセンの実作を通してプロダクトデザイン〜家具〜インテリア〜建築と、横断的に図法の基礎を学ぶ教科書です。今日も編集会議がありましたが、教科書と言ってもあまり堅苦しくない、読み物として楽しめる本になりそうです。こちらは年明けの出版になる予定です。

2011年4月5日

被災地復興住宅の提案

3/11の震災から3週間が過ぎ、多くの方々が被災地の復興について考えておられることと思います。過日プロトハウスの桑原さんの呼び掛けによって集まった建築家、工務店のみなさんとの議論を経て、中古コンテナを構造体とした私なりの仮設から復興への住宅の提案書をスピード優先でまとめてみました。

復興住宅提案
(2MB程度)

提言サイト『マザープロジェクト』のサイトにも昨日アップされています。
自分に何が出来るかを考えた末の短期間での作業でしたが、被災地以外の住環境と共通するテーマも感じられ、継続して考えていきたいと思います。